企画
1995 年、ドイツの名門ガラスメーカーのショット社よりズームエンジニアリング社に、ブルーガラスを使った商品を作らないかとアプローチがありました。
すでにベンツやBMWの純正ミラーとして供給されていたブルーガラスですが、ショット社としては日本への販路拡大、ズームエンジニアリング社としてはパーツ商品の拡充と、互いの利益がマッチして検討をはじめました。
当時、ショット社製のワイドブルーミラーを採用したALBERTルームミラーが好評で、クルマを乗り換える度にALBERTルームミラーを引き継いで使い続けているファンも多いとの話でした。そこで、気品のある色合いで目に優しく、プルキニェ現象による防眩効果もあるブルーガラスを採用したサイドミラーを開発することにしたのです。
当時から国産車、輸入車ともにミラーに生じる死角への意識は低く、サイドミラーの曲率は1400R~2000R程度が一般的でした。そこで、車検適合で最大限に広角な反射像を映す600Rのブルーワイドミラーを企画したのです。
開発
ショット社から輸入供給された平板のブルーガラスを、日本国内でワイド化のために曲面加工して、反射膜加工してミラーにする。文章にすればこれだけで済みますが、高品質な製品を量産するまでにはいくつもの課題がありました。
曲面加工ではミラー端まで曲率を均一にするために先曲げ/後切り方式を採用しましたが、曲面になったガラスを製品形状に正確かつ歩留まり良く切り出すには加工に熟練が必要でした。またガラスを曲げるのに高温に熱するため、切り出しや商品装着時のガラス破損を防ぐための適切なアニーリング条件を見出すにも苦労しました。
販売
このようにして企画・開発したブルーワイドミラーを1996年にアフターパーツとしてオートバックス/イエローハットなどの大手カーショップにてOEM販売を開始しました。
自動車メーカーからも引き合いがあり、1997年にはスバル(富士重工)のインプレッサやレガシィの純正オプションとして正式採用されました。同様に1998年には三菱のランサーやセディアワゴン、海外でもアルファロメオのアルファ147/155/GTV、フォードのエクスプローラやエスケープにも純正オプションとして正式採用されました。
また2005 年にはネット通販を開始し、卸販売からネット通販へと軸足をシフトしてきました。
販売開始から2020年までに累計
約5万セット
を販売し、多くのお客様にご利用いただいています。
製造革新
1999年には認知度が高まり、お客様より適合のない車種への対応の要望を受けることが増えました。そこで、個別にオーダーメイドを請けはじめました。
2005 年にはミラー形状をデータ化しNC加工でカットできる製造設備を開発しました。これにより、多数の車種への適合が可能になりました。現在でも業界最多の適合車種を誇っています。
2005年にはショット社のブルーガラスが生産中止になり、原材料の調達が困難になりましたが、独自ルートを開拓しショット社と同等スペックの光学ミラーガラスを調達して、製造販売を継続してきました。
変化の激しい時代ですので、今後もいくつもの課題が持ち上がると予想されます。しかし、コンセプト継承しつつ良質な製品を提供していきます。
事業継承、そして独立販売
2020年にズームエンジニアリング社の解散/事業移譲に伴い、企画開発から製造に関わった担当メンバーはbluewidemirror.comとして独立しました。
独立後も以前と同じ素材、同じプロセスで、従来通りの高品質な商品を製造しています。
今後とも、エクストラブルーワイドミラーは、bluewidemirror.com でお求めください。